大阪に生まれ、
15歳で渡英。エドウィン・ロックスバラ、ダリル・ランズウィック、ジョージ・ベンジャミンに師事し、作曲を学んだ。これまでポーランドのセロツ
キ国際作曲コンクール(当時最年少で優勝)、ロイヤル・フィルハーモニック作曲賞、オーストリアの国際ウィーン作曲賞、ドイツのパウル・ヒンデ
ミット賞、2009年の第57回尾高賞および第19回芥川作曲賞、2010年の中島健蔵音楽賞、エクソンモービル賞をはじめ、数々の著名な作曲賞
を受賞している。現在英国在住。
●世界を舞台に活躍
近年は、ザルツブルグ音楽祭、ルツェルン音楽祭、BBCプロムス、バンベルク響、シカゴ響、アンサンブル・アンテルコンタンポラン、シモン・ボリ
バル響、アルディッティ弦楽四重奏団等から委嘱され、国際的な共同委嘱もますます増えている。また世界中で再演も多い。
拠点としているロンドンでは、BBCプロムスから2つの委嘱を受けているほか、コントラバス協奏曲がロンドン・シンフォニエッタによって初演され
ている。読売交響楽団による委嘱作品《atom》は、”Total Immersion: Sounds from
Japan”と題する演奏会の中で、BBC交響楽団によってイギリス初演された。
藤倉の音楽はフランスでも受け入れられ、多数の委嘱が行われている。中でも自信初のオペラ作品となるスタニスラフ・レムの小説『ソラリス』(演
出:勅使川原三郎、シャンゼリゼ劇場・ローザンヌ歌劇場・リール歌劇場による共同制作)はそれらの頂点と言える。
ドイツでは、グスターボ・ドゥダメルとシモン・ボリバル・ユース・オーケストラに捧げられ、世界初演された《Tocar y
luchar》がベルリンのウルトラシャル音楽祭でヨーロッパ初演された。ほかにもミュンヘン室内管弦楽団の委嘱で《Grasping》を作曲。韓国で初演された後、ミュ
ンヘンでも演奏された。スイスではルツェルン・フェスティバル、オーストリアではクラングシュプーレン音楽祭、ノルウェーではプンクト・フェス
ティヴァルで藤倉の作品が取り上げられた。2015年にはリンカーンセンターのモーストリーモーツァルトシリーズで室内楽の個展を行い、インター
ネット上で生放送された。また翌年には、同音楽祭でフルート協奏曲とチェロ協奏曲が初演された。《Glorious
Clouds》は名古屋フィルハーモニー交響楽団、ケルンWDR交響楽団、イル・ド・フランス国立管弦楽団の共同委嘱で各国での初演を予定している。
日本では2012年10月、毎年サントリーホールで行われている「作曲家の個展」にて取り上げられ、全編藤倉のオーケストラ作品によるコンサート
となった。また2013年4月には白寿ホールにて室内楽の個展を開催。いずれも好評を博した。
●世界的アーティストが演奏
これまでにピエール・ブーレーズ、ペーター・エトヴェシュ、ジョナサン・ノット、グスターボ・ドゥダメル、アレクサンダー・リープライヒ、山田和
樹らが藤倉の作品を初演・演奏している。木管楽器・打楽器による5人のソリストとオーケストラのための《Mina》はシアトル交響楽団、バンベル
ク交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団によって共同委嘱された。また、《flare》はロンドン、エディンバラ、東京それぞれの会場の共同
委嘱のもと、アルディッティ弦楽四重奏団により初演された。
●レコーディング/出版
2012年にはNMCレーベルより藤倉の作品集《secret forest》
が、2013年秋にはKAIROSレーベルよりインターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブルが演奏する藤倉の作品集がリリースされた。その後は自身のレーベル
Minabel Recordsを立ち上げアルバムを定期的にリリースしている。
また、実験的なポップスやジャズ、即興の世界のアーティストともコラボレーションをしている。坂本龍一との共同作曲作品は白寿ホールで世界初演さ
れ、デヴィッド・シルヴィアンとの共同作曲作品はシルヴィアンのアルバム「died in the
wool」に収録されている。また、ノルウェーのジャズ即興アーティストの Jan Bang、 Sidsel
Endresenとの共同作品は、Jazzland レコードよりリリースされている。
楽譜はリコルディ・ベルリン(ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング・グループ)より出版されている。
●作曲の方法
世界中の演奏家からの新作依頼を実現するにあたり、Skypeなどで演奏家とコミュニケーションをとりながら、作曲を進める。
●近年の活動
2016年5月には「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭(東京)」にて自身のプロデュース公演を実施。満員御礼の成功を収める。また、2017年5月に
東京芸術劇場で開催される大型現代音楽イベント「“Born Creative” Festival
2017」では、アーティスティック・ディレクターを務める。2018年には藤倉にとって2作目になるオペラの世界初演を予定している。
(2017年2月現在)
Official website → www.daifujikura.com
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