この作品はサックス奏者の上野耕平さんからの依頼で書いた。
上野さんの希望で、サックスと太鼓。
そんな編成の音楽って世の中にあるのかな、と思うような編成。
サックスの作品は結構昔から多く書いているので、楽器は分かってるつもり。
でも今回も上野くんと頻繁に楽譜のやり取りをした。
僕が断片を上野さんに送って、それを演奏した自撮り動画を上野さんから送ってもらう。
やはり、演奏される音は想像できるけど、一人で作曲している時に実際素晴らしい演奏家がさっき書いたものを弾いてもらい、それを聞く、というのはすごいインスピレーションになる。
それを聞いているとどんどんと先が書けてしまう。
太鼓との関係性はもちろんチャレンジだった。
僕の感覚では、ジャズのブラシで演奏されるスネアドラムの感覚と、古代の儀式のような感覚が混ざった感じだった。サックスなのに古代、というのも実際はありえないので、それも面白いかな、と思った。
最後の部分は邦楽器ならではの、気合いで合わせる!という感じなところ。
リハーサルでは本当にその通りだったので、横目で見てて「よっしゃ!」と僕は思った。
楽しいプロジェクトだったな。
藤倉大