この作品は、鼓童のメンバーを中心に、様々な規模の太鼓奏者団体が演奏できるように、とのリクエストを受けて作曲しました。鼓童は、イギリスに長く住んでいる僕やヨーロッパ人の妻も、昔から大ファンであり、今回彼らと関わる作品を作る機会を得たことに大変興味を抱きました。
作曲前のミーティングで、演奏中に動き回る演出も取り入れたいと聞き、これこそが鼓童らしいと感じました。僕は、そうした演奏者側の創造性を、僕の楽譜による制約で縛ってしまっては、良い結果が生まれないかもしれないと考えました。なので、依頼された演奏時間より多めに音符を書き、どんな楽器で弾くか、どの部分を省略して演奏するか、繰り返すか、その時々の演出で自由にしてくださって良いですよ、とお伝えしました。リハーサルの動画も見せてもらい、意見交換をしながら進めています。最終的にどのような演出になるのか、僕自身も非常に楽しみにしています。
藤倉大