これは僕にとって初めてのマンドリン作品です。
この楽器の歴史について知り、魅了されました。
僕は大体において、撥弦楽器の音色が好きです。
そんな中で、マンドリンについて特別に感じたのは、マンドリンという小さなボディの中に、完全な世界が存在するということです。まるでミニチュアの世界を覗き込んでいるよう。
子供の頃、おもちゃや模型でそういう世界を作るのが好きだったことを思い出しました。
自分の部屋のベッドをジオラマみたいにして、夜は床に寝ていた小学生時代。
僕はこの壊れやすい小さな世界を感じ取り、守りたいという思いを感じながら作曲を続けて、Quillと言う作品を作りました。
藤倉大