Ensemble (and a dancer)
25 min. (details, contact composer's agent)
Published by Ricordi Berlin
Sounding Seven Senses
舞踊界に新たな地平を切り開いたダンサー大前光市のために、今世界が最も注目する作曲家・藤倉大が制作したダンス音楽の世界初演!「たたく」「はじく」「さわる」等、 音の質感ごとにキャラクターの違う楽曲がコラージュされ、めくるめく音の移り変わりにダンサーの肉体が呼応します。音質を視覚化する映像や立体音響を駆使した「七感」 を刺激する前代未聞のパフォーマンスは必見です。
七感で楽しむシアター
東京藝術大学では2011年から、障がいの有無にかかわらず誰もが芸術を楽しむイベント「障がいとアーツ」を毎年開催してきました。今年からその趣旨を昇華させた新企画として、多様な人間たちの超感覚を「七感」と名づけ、視覚・聴覚・嗅覚・触覚など様々な感覚に働きかける革新的な舞台「七感で楽しむシアター」をお届します。義足のダンサー大前光市と世界的作曲家藤倉大による夢のコラボレーションをお贈りします。
Sounding Seven Senses
この作品は僕の11の作品:
I dreamed on singing flowers〜エレクトロニクスのための(2012)/ Uri(瓜)〜独奏パーカッションのための(2017)/ Uto(宇土)〜4台の太鼓のための(2014)/ BIS〜コントラバスのための(2008)/ Another Place〜弦楽四重奏のための/ ES〜コントラバスのための(2008)/ Neo(音緒)〜三味線のための(2014)/ Bright Codes〜ピアノのための(2015/2016)/ Okeanos Breeze〜オーボエ、クラリネット、ヴィオラ、笙、箏のための(2001)/ Pitter-Patter〜ヴァイオリンとピアノのための(2016)/ The Spirit of Beings〜チェロとエレクトロニクスのための(2012)
のコラージュ作品。
数年前、初のオペラ作品の演出で初めてダンサーの方とコラボレーションをした時に、ダンサーは音楽をまず聴き、そこからインスピレーションを受けて体がムクムクと動き、その後想像して作品を創っていくという事がわかった。
その時の経験を生かそうと思った。
ゼロから楽譜を書いて作曲をし、本番数日前に演奏家がリハーサルに来て、初めて音出しがあるという既存のクラシック音楽の創作プロセスよりも、既に作られているたくさんの僕の作品の録音をダンサーの大前光市さんと一緒に聴いて、ダンスの方向性を重視した作品を創作出来たらと思った。
僕としては、今回は初のダンス作品でダンサー視点の創り方を経験してみたかった。
このやり方が一番だ!と僕は直感的に思った。
せっかくダンサーの大前さんとコラボレーションをするのだから!
創り方のプロセスは、藝大の学生の前で授業の一環として見せた(コラージュ作業をたくさんの人前でするとは思ってもみなかったけど)。
僕と大前さんは僕のたくさんの作品の録音を聴いて、大前さんのピクピクする体を見ながら、大前さんのたくさんのアイディアを聞きながら反応を見て、僕はまさにDJのように次から次へと自分の作品をプレイし、「これだ!」と感じたものを録音上つないでいった。
全部できた時点では、20分の作品の中に11作品もの僕の作品が入っているダンスのための音楽となった。
単に11作品をつなぎ合わせたというのではなく、音楽的にはすごく複雑な構造。
こうして聴いていると、全く新しい曲の様に感じるし、僕にとって新しい形を持つ音楽の様な気がする。
藤倉大
Dai Fujikura is published exclusively by G. Ricordi & Co. Bühnen- und Musikverlag GmbH Berlin
(Please contact RICORDI Berlin: umpg.classical@umusic.com)