SAKANA

The title SAKANA comes from the word "fish" in Japanese.

In this piece, I imagined light reflecting off of fishes bodies as they move around in water - sometimes smoothly and sometimes with rapid movement. I wanted this piece to be one large phrase, which is made out of multiphonics and notes, including quarter tones, which are broken down from multiphonics. Some of the fast rhythmic passages become tremolo, in other words these rhythmic passages are rhythmisized tremolo, and will transform smoothly into the multiphonics with the phrases as a part of big line. SAKANA has a peculiar feeling, the tempo is fast, though I regard it as slow music. There is a lot of action if you are standing near to this piece, however, if you are "looking" from afar, it is a slow moving fish....

Dai Fujikura

この作品で、僕は初めて微分音をたくさん使いました。全ての微分音は気に入ったサ キソフォンの重音(マルティフォニックス)を転調などしながら出してきたものです。 弦で微分音を弾くと「え?この人ひょっとして下手?」っと聞こえてしまうので(通常 の12音階で耳が慣れている僕らにとっては、音が狂っているように感じてしまう)、サ キソフォンは一つ一つの微分音を指で押さえる事ができるので、これはいい機会!と思 い挑戦してみました。あまりの多さにどの音が微分音でどの音が半音なのか分からな い感じかなと思います。

曲全体は、海の底の暗い所でちらちらと動く魚のような感じです。タイトルはもう、 ずばりSAKANAにしてしまいました。

ゆっくり、ゆったりとした作品を書くつもりだったのが、出来上がればすごい速い曲 になってしまったのですが、実はそこまで曲の速度は速くないのです。ハーモニーの 動きはとてもゆったりしていて、トリルをリズム化した感じなので、奏者にとっては 超高速ですが(「ゆっくりした曲って全然速いじゃないですかー」とこの作品の初演者の大石さん。その通 りなんですけど、、、)、ゆっくりとも聞ける、、、かな?と思います。サキソフォン はどちらかというと、うるさい楽器というイメージがあるので(少なくとも僕にとって は)この作品ではほとんど弱音のみです。

この作品は大石将紀さんの為に書かれたもので、作品を書き始める前に、インターネット を通して話せるSkypeなどで何度もセッションをし(僕はロンドン在住、大石さんはパ リ在住なので、なかなか会えない)、そのあと僕の気に入った重音をmp3でメールして もらったりしながら作りました。特にソロの作品などは、僕はその奏者の為に書くの で、まるでその人が着る為の服を特注でデザインしている様な感じです。もちろん初 演後に他の演奏者に弾いてもらえるのもそれはそれで面白いのですが、「曲が誕生す る理由」というのが僕にはとても大切です。こうやって何度も何度もセッションをし ながら作ることができたのはとても心地いい事でした。またこうやって、奏者と親密 に作品を作り上げれたら面白いなと思います。

藤倉大



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